スクープ殺陣2

ふんだんに盛り込まれた殺陣のシーンから色々なドラマが生まれた、
前公演『朝風』から8ヶ月が経った…。

今回の『うるさ方』では更にスケールアップ!
シーンも多くなり、人数も倍以上の迫力!!
と、言う事は、ハプニングも…!?
早速紹介していこう。



今回、最も気をつけたのが「怪我」
激しい闘いを表現する殺陣においては、どうしても怪我がつきものなのだが、
一番酷かったのは、甚作役の椎橋くん
最後の決闘シーンの稽古中に指を切ってしまい、
3針縫う怪我を負ってしまった!
しかも、本番の2週間前!!

その後1週間はまともに刀を振る事が出来なかった。
もしもこれが本番直前だったとしたら…ストーリーが変わってしまったかも!?

その時の心情を椎橋くんは、こう振り返る。

「最初は手がジンジンするなぁ〜ぐらいしか
思ってませんでしたが、
だんだん手が生温くなり、
気が付いたら手が赤かったです(笑)

それから痛みが襲いかかり…。

心の中で『勘弁して〜』と叫びました。」

いやはや、怪我は本当に恐ろしい…。

さて、肉体的な怪我については紹介した通りだが、
本番に入り、稽古通りにいかなかった事に対して被った「心の怪我」というのも、
これまた本当に恐ろしい…。
続いては、この「心の怪我」をご紹介しよう。


まずは、恭介役の小田くん


お蔦役のちずさんと2人、道行のシーンから、
3人の浪人に襲われるシーン。
お蔦を庇いながら相手をかわし、抜刀したその時!

……刀が抜けない!!

しかし、偶然にも柄(つか:持つところ)の先で
受けたような形になり、
しかも効果音も入ったために止まることなく流れ、
大きな問題にはならずに済んだ。

だが、本人が被った心の怪我は、
はかり知れない事だろう…。


続いて甲斐十三役の小坪くん

最後の決闘シーン。
敵味方が入り乱れ斬り合うところ。
勢いよく斬り掛かり、恭介役の小田くんが
はじいた瞬間!

ビターーーン!

コ、コケた!

その後這いつくばって距離を取り、
構え直したのだが、顔は半泣きになっていた…。

このシーンでは連日のように、大なり小なり何かが起こっていた。


久世庄之助役の高橋くんは、ただ相手と間をとっているだけなのに、
ヨロけてお尻と手をついてしまったり。

恭太郎役の松本さんも、段を踏み外しそうになってヨロけたり。



そして大怪我は恭平役の小川くん

かかってきた2人をあっという間に倒し、
「実は一番強かった」事が判明した直後、
襲いかかってきた最後の一人、
冷風役の熊谷くんに対して刀が抜けなかった…。

お客様からは拍手をもらい、
彼は入院レベルの「大怪我」を被ったのだった…。



やはり、今回も色々あった殺陣。
幸い本番中に“身体的に”怪我をした役者がいなかった事には一安心。

次回、10月公演に殺陣シーンはあるのか?
あるとしたら、どんなドラマが生まれるのか!?
我々は、すごろくに殺陣がある限り、
そのドラマとそこに見え隠れする人間模様を追っていきたいと思う。