|
|
|
|
|
|
|
毎回、アンケートで
「どこまでが台本なんですか?」や「どこからがアドリブか分かりません。」
といったご意見が書かれているのを目にする。
確かに…、毎公演の様に繰り広げられるアドリブ。
あれは本当にアドリブなのか?それとも台本に書かれている事なのか!?
今回の公演
「平屋騒乱記〜須原屋解体新書殺人事件〜」より、
どこまでが台本通りで、どこからがアドリブだったのかを実際に検証してみたいと思うっ!!
|
|
|
|
【冒頭、般若党に襲われた源之介を半四郎が追っ払ったあとのシーン】
|
|
|
|
台本だと…。
半四郎:そんなに価値があるのですか、その蘭書は。なんていいましたかなええと…
源之介:ターヘルアナトミア。
半四郎:そうそうハラヘルアナタビア?
源之介:ターヘルアナトミア。
半四郎:ターベルハナトミミガー?
源之介:もういいです。
本番は…。
半四郎:そんなに価値があるのですか、その蘭書は。なんていいましたかなええと…
源之介:いいですか、よーく聴いてて下さい。ターヘル、アナトミア(宝塚調)
半四郎:…ほう。た、たーへるす……
源之介:ははは。いいですか、もう一度いきますよ。ターヘル、アナトミア!(コマネチ)
半四郎:いや、ちょっと待って下さい。コレ(コマネチ)はやらなきゃいかんのですか?
源之介:この動きは、3番目に重要です。
半四郎:3番目?
源之介:はい。
半四郎:じゃあ1番目は?
源之介:……。
半四郎:ちゃんと考えてから言って下さい!!……わかりました、やりますよ。
……結構いい歳なんですよ。……しゃあ!。た、たらへえーる…
源之介:もういいです。
さらに大阪になると、
半四郎:そんなに価値があるのですか、その蘭書は。なんていいましたかなええと…
源之介:いいですか、よーく聴いてて下さい。ターヘル、アナトミア(宝塚調)
半四郎:…ほう。た、たーへるす……
源之介:ははは。いいですか、もう一度いきますよ。ターヘル、アナトミア!(コマネチ)
半四郎:いや、ちょっと待って下さい。コレ(コマネチ)はやらなきゃいかんのですか?
源之介:この動きは、3番目に重要です。
半四郎:3番目?
源之介:はい。
半四郎:じゃあ2番目は?
源之介:2番目ですか……わかりました。これを持って(原書を渡す)。
後ろを向いて。いきますよ!ターヘル、アナトミア!!!(カンチョーかます)
半四郎:おうっ!それとコレの名前に何の関係があるんですか!分かりました。
やっていいんですね!?アナタが言ったんですからね!
源之介:(たじろぐ)
半四郎:(半四郎やろうとするが)最近、こういうのは危ないんですからetc……
私だって無事に東京帰りたいetc……わかりました。
コレ(コマネチのポーズ)でいきます。
|
|
|
|
【物語前半、市兵衛が権三郎に命じるシーン】
|
|
|
|
台本だと…。
市兵衛:ゴン、権三郎。
権三郎:へい!
市兵衛:この家の雨戸をすべて閉めておくれ.
それからそこの出入り口だけを残して後は外からしんばり棒をかませてくるのだ。
中からあけられぬようにな。分かったか?
権三郎:へ、へい。
本番では…。
市兵衛:ゴン、権三郎。
権三郎:へい!
市兵衛:この家の雨戸をすべてパーッと閉めておくれ。
それからそこの出入り口だけを残して後は外からしんばり棒をカーッとかませてくるのだ。
中からあけられぬようにな。パーッと閉めてカーッだ。分かったか?
権三郎:……カーッと閉めてパーッとかます。
市兵衛:ちがうでしょ。パーッと閉めてカーッだよ!
権三郎:カーッと閉めてパーッと!。
市兵衛:カーッと閉めてパーッならカッパになっちゃうでしょ。
権三郎:カッパ64!
市兵衛:あっ! そういう事言うと図に乗っちゃうよ俺は。
……お、お、おめえはよぉ〜、オラの言う事を〜聞けねぇってのかぁ?
権三郎:パッと閉めてカッとかませばいいんでしょ。
市兵衛:あっ。
このシーンは、もうひとつのアドリブパターンが存在した!!
市兵衛:ゴン、権三郎。
権三郎:へい!
市兵衛:この家の雨戸をすべてパーッと閉めておくれ。
それからそこの出入り口だけを残して後は外からしんばり棒をカーッとかませてくるのだ。
中からあけられぬようにな。パーッと閉めてカーッだ。分かったか?言ってみろ。
権三郎:……カーッと閉めてパーッとかます。
市兵衛:ちがうでしょ。パーッと閉めてカーッだよ!
権三郎:カーッと閉めてパーッと!
市兵衛:パーッと閉めてカーッ!!
権三郎:カーッと閉めてパーッ!!
市兵衛:パーッと閉めてカーッ!!!!
いいか、いくぞ、パーッと閉めてカーッ、パーッと閉めてカーッ、
(権三郎も一緒に)…パーッと閉めてカーッ、……パーッと閉めてカーッ、
……パーカッパーカッ
二人で:パーカッション!!
|
|
|
|
【物語中盤、平左衛門・八兵衛初登場シーン】
|
|
|
|
台本では…。
平左衛門:ともかく、消えた湯のみが見つかればいいのよ。もっと良く探しなさい。
八兵衛:えっと、じゃあ、ターヘルアナトミアとか言う本の事は?
平左衛門:もちろんそっちも探すのよ。当たり前でしょう。皆にも良く言い聞かせておきなさい。
八兵衛:へい。(八兵衛去る)
本番では…。
平左衛門:ともかく、消えた湯のみが見つかればいいのよ。もっと良く探しなさい。
八兵衛:えっと、じゃあ、ターヘルアナトミアとか言う本の事は?
平左衛門:もちろんそっちも探すのよ。当たり前でしょう。皆にも良く言い聞かせておきなさい。
八兵衛:へい。……ターヘルアナトミアねぇ。
食べる?アナキャビア!……よしッ!(去ろうとする)
平左衛門:おい!!
八兵衛:は、はい。
平左衛門:何それ正気?まあいいわ。アンタさぁ。自称爆笑王のアンタの鉄板ネタ、聞いてあげる。
でも気をつけて。しくじったら、明日からこのシーンカットよ!!
八兵衛:(ご覧になった方はご存知ギャグ3連発 《このギャグも日によって変わります。》
その後、照明が消える、同じ場にいた源之介・平左衛門がいなくなる、等、
その日によって色々なアドリブが飛び出す。
そして八兵衛捨てゼリフを吐き、去って行く。)
|
|
|
う〜ん、こうして見てみると、台本と全然違う事をやっている。
ここまでアドリブをいれているとは…。
ちなみに、ここに挙げたものは全てではない。
あくまで一部である。
他にも細かいところで、随所にアドリブがちりばめられているのである!
|
|
|
ちなみに、アドリブのようだが実は台本通りというシーンもいくつか存在する。
次はそのシーンを少し挙げてみよう。
|
|
|
|
【般若党員が夜中に打ち合わせをするシーン】
|
|
|
|
お竜との待ち合わせに遅れて来た、侶太郎と把ノ助。
般若党という事がバレちゃいけない為、みんな面をつけないで集合のはずが……。
二人が面をつけている。その事に激怒したお竜。面をとれと指示するが…!?
侶太郎が面をとると、何と顔に般若メイクがッ!!!!
と言っても、実は台本通りなのだ!
侶太郎役の熊谷さんは、その後、
元の顔に戻す為に早メイクで大忙しだったのは言うまでもない。
|
|
|
|
【お松「あたし、まだ18よ!」のシーン】
|
|
|
|
利助が市兵衛殺しの罪を自白し、肝心のターヘルアナトミアがお梶の部屋から見つかり、
盗んだ理由を聞き愕然となったお松があきれたように
『バカよ。ほんとバカよ……』と言った瞬間!
お梶が、もとはと言えば嫁に行き遅れたお前のせいだと逆切れしたのだ。
その言葉を聞きお松がこう叫んだのだった!!
お松 『いき遅れって失礼ね。あたし、まだ18よ!』
お梶 『やかましい!!!!!そんな18どこにいる!!』
ここからののしり合いを開始になり舞台上はぐちゃぐちゃになったのだった。
しかしこれも台本通り!
気持ちが入りすぎたのが原因かとおもわれる。
|
|
|
|
【八兵衛う●こまみれのシーン】
|
|
|
|
原書探しを平左衛門に命じられ厠を捜索する事になった八兵衛。
その後原書は見つかり、利助とお梶をしょっぴくため八兵衛を呼びつけた。
とぼとぼと出て来た瞬間!
なんと、八兵衛は便器の中にまで入って探したのか、
頭にう●このかぶり物を乗せて登場!!
舞台は恐怖のどん底にたたき落とされたのだった!!
とはいいつつ、なんとコレも台本通り。
う●このかぶり物も小道具部渾身の作品なのであった!!
|
|
|
なるほど、アドリブかと思っていたところが見事台本通りだったとは……。
このように、すごろくの一つの名物となっている「アドリブ」。
毎回台本に、ある事・ない事をおりまぜ、舞台は作られていくのである!!
さて、次回はどのようなアドリブが生まれるのか。
楽しみに待つ事にしよう。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|